第一章 総則
第一条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
(基本原則)第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
(普及啓発)第三条 国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、前条の趣旨にのつとり、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない。
(動物愛護週間)第四条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。 2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。 3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。
用語解説
●動物
動物愛護管理法における「動物」とは、家庭動物、展示動物、産業動物(畜産動物)、実験動物等の人の飼養に係る動物を対象としている。純粋な野生状態の下にある動物は含まれない。
●動物の愛護(「改正動物愛護管理法Q&A」より一部抜粋)
動物愛護管理法における「動物の愛護」とは、動物を殺すことや利用することを否定しようとするものではない。我が国の国民の間に一つの法規範にまで高められた動物愛護の精神を一つの社会的秩序として保護しようとするもの。
動物を利用することは、人間が生活するうえで必要不可欠なこと。このことを肯定したうえで、動物を利用するからにはその命に敬意を表して、できるだけ大切に扱うことを推進しようとするのが「動物愛護」。
近世の動物愛護の思想や活動は、日本在住の欧米知識人によって主導されてきた。しかし、日本人と動物とのかかわりの歴史を見ると、欧米諸国に比べて我が国の動物愛護が内容的に劣っていたわけではなく、文化的な背景の違いなどに起因する動物に対する意識(動物観)の違いが大きく影響している。つまり、日本ならではの「動物愛護」を構築する必要性が指摘されている。
動物をかわいい・かわいそうという気持ちは大事なことだが、個人の趣味や嗜好と、法規制になりうるような社会規範との峻別をしっかりとつけることができる動物愛護管理行政の理念を構築することが今後の課題。
福岡で平成23年度に開催された動物愛護週間の行事。
○福岡市動物愛護週間行事
1.動物との共生を考えるパネル展示
2.犬猫の慰霊祭
3.どうぶつ愛護フェスティバルinふくおか
○福岡県動物愛護週間行事
1.ペットスケッチコンクール入賞作品の展示
2.動物慰霊祭及び動物愛護講演会
3.2011動物愛護フェスティバル